露悪癖

 昔、ある友人に言われました。
「どっちが本当の山村なん?」
 その台詞恥ずかしくないかお前。
 まぁそれはともかくとして、たまに自分が良く分からなくなるときがあります。
 基本的には善人なんでご老人には確実に席を譲る、というか電車に座ってて新しい乗客が来るたびにきょろきょろと「誰か席変わらなくちゃいけない人入ってないか……?」みたいな感じで探す人なんですがしかし同時に黒いです。陰口は殆ど言いませんし誰かにむかつくことも殆ど無い一方、嫌いな奴はとりあえず死ねばいいとか思ってるし目の前で知らない人が死ぬよりニュースで猫の虐待を見たときの方がはるかに凹みます。友人が困れば出来る限り助けたいと思いますが、世界で困っている人は割りとどうでもいいです。
 普段から自分を作ることを考えて生きてますが、作った自分が好かれるよりも作っていることを見破られるほうが嬉しくて。
 趣味とかもそうですね、漫画アニメ部に所属していたかと思えばボクシングやってて、かと思えば休日におかんとケーキ焼いたりします。
 まぁそれはまたちょっと違いますが。
 心理学とか調べてみると表面的には演技性人格障害的なんですが、実際には強迫性の方が近いかな、と考えていますがしかし素人判断なんでいまいち当てになりません。
 私は自分を客観的に見れるんです、あなたとは違うんです、って、んな訳ねぇやなぁ。『自分』を『客観的に』っていう事自体、明確ではないものの矛盾っぽいですし。まぁ矛盾はして無いんですが。
 どちらにしろ、自分の頭の中にあるものを心理学のテーブルに並べるとき、「何を選ぶか」という権限を自分が持つ以上完全な理解は出来ませんし。
 行動を観察しその結果から人格を導き出すテストにしたって、「何をどう行動するか」はやはり本人に任されています。普段から嘘をついている人なら、表面上は違う人格を装えるので。
 つまり自分自身を理解できるのは自分自身ですが、一番信用ならないのが自分自身と。
 自分を完全に騙すのは難しいですが、自分を誤魔化すことなら難しくないので。
 たとえばいくつもの設問を答え、それによって血液型を推測する問題用紙があったとして、その人本人が「私はA型の性格になりたい」と考えそれを演じていたとき、「そういう自分」を問題用紙に書き込んでしまえばA型だと判断されるでしょう。
 そういうこと。
 って、ああ、話が逸れました。
 えーと、そう、人格の話。
 結論から言えば、自分は露悪癖のある馬鹿なんだと思います。
 極端な性格で、基本的に善人なものの怒りやすく短気で、他人が苦手かつ好きってツンデレじゃねぇよで他人の影響を受けやすく、自分に制約をつけて自分の中の嫌な部分をひた隠しながらそれでもその部分を受け入れてくれる人を探している、みたいな。
 ……うぉーい自分で分析しておいてなんだが恥ずかしい人格だなオイ。
 まぁ長文に飽きた人が読むのを途中で止めてくれるのを期待しましょう。
 まぁ色々人生がありましてね? 結果「世界で唯一正しい論理は、正しい論理なんてないってことだ」みたいな人になってますが。
 要するに露悪癖持ちの馬鹿です。