第五回文学フリマ、参加しますぜ!!!!!!!!

 というわけで。




 サークルM.A.C.、初参加イベント!!!!!!!!!!!!!
 無駄に!を増やしてみました。


 さておきですね、黒い物体は文学フリマというイベントに参加します。詳しくはクリックで公式ページへどうぞ。


 第五回文学フリマ
開催日時 2006年11月12日(日)
開場11:00〜終了16:00
場所 東京都中小企業振興公社 秋葉原庁舎 第1・第2展示室

 自分が代表やらせてもらってるサークルのブースはA−69になります。
 ちなみにサークルはこちら
 詳しい宣伝についてはこちら


 小説の一次創作本です。コピー誌じゃなくてオフセット。頑張りました。
 んでもって参加メンバーは、小説・黒い物体、赤い烏さん、クロフネ3世さん、烏天狗さん。
 表紙などを担当していただくのは累亜さんです。


 んでもって、自分が書いたのは完全新作……じゃなくて昔の作品のリメイクな訳ですが、まあそれはさておきですね。
 イベント行けないけど本は買うぜ!!!!っていう豪気な方がいらっしゃったら、自分に連絡して下さい。郵送なり手渡しなり、色々考えるので。ここでのコメントはもちろんのこと、メールなどでも構いません。気軽に声をおかけくださいな。


 さらに初参加のため、ブログのネタに困った強敵戦友心友怨敵友人知人親類縁者、適当に宣伝してくれると嬉しいっす。

 特に某部活のメンバーなんかは買ってくれますよね買いますよね買え(こいつ……


 冗談はさておき、このブログを見てない人に、適当に連絡やら紹介やらして貰えると嬉しいです。頑張ります。頑張ってます。死にそうです。寝てません。




 ええと、さらにも一つ宣伝おば。
 お隣のブースで参加される『アザーズ』様。
 ネットの知り合いの方が出店することは知っていたのですが、まさか隣のブースだとは夢にも思いませんでした。不可思議な…………。
 この方にはいろいろとお世話になりました。


で、『MurderKiller Suicides』というゲームを販売されるそうです。
 現在、このサイトにて体験版が配布されています。自分も作業が終わり次第楽しませていただこうかと。



 ついでに、サンプル公開しておきますね。印字頭’S特別サービスによりちょっと長めに公開しておきます。結構アレなので興味ない人はスルーをお願いしますぜ。




 彼女は居なかった。

 彼女が見つからない部屋に、僕はただ埋もれている。四肢を投げ出し力無く、体温の移った生温いフローリングに張り付いている。天井の蛍光灯、その光すら重い。
 重い。
 彼女の居ない部屋で、彼女のことを思い出そうとした。いくつもいくつもいくつもいくつも、彼女の記憶が浮かんで、重なり繋がっていく。つまらなそうな表情、力ない声、髪に指を通したときの、肌を撫でる感触。いろんな思い出が重なって、まるで一筋ずつ糸を織り重ねていくように、彼女のシルエットが形作られる。
『――ねえ。時間って何だと思う?』
 影は一人でに、思い出をなぞり始める。


    ――……■■■……――


「――ねえ。時間って何だと思う?」
 窓際の椅子に座り、前触れも無しに彼女は言った。
「…………どうしたの? いきなり」
「本読んでたらこんな文があったの。『ここで過ごす時間は、なんでこんなにゆっくりと流れるのだろう。えいんしるえっと』」
「……エインシルエット?」
「平仮名で、えいんしるえっと」
 頷いて、持っていた本のページを一枚一枚閉じていく。ぱらぱらと音を立てて、薄い雑誌は平たくなる。
 彼女はいつもこうだった。説明なんて必要ないとばかりに、端的に答えだけを言う。僕はそういう時、ただ答えの意味を考えることしか出来ない。詳しく聞いたら答えてくれるかもしれない、けれど、これはいつの間にか二人のルールになっていた。
 彼女が読んでいたのは二ヶ月も前の月刊誌だ。ファッションや芸術、グルメに観光地を題材にしたエッセイなど幅広い分野が載っている。随分前だったけれど、僕も読んだ。そのキャッチフレーズにも多少覚えはある。確か…………そう、老舗ホテルの、二ページ丸々使った広告にそんな見出しがあった気がする。
「……で、いきなりどうしたの?」
「時間ってゆっくり流れたり早く流れたり、そんな不整脈みたいなことするの?」
 う、と僕は言葉に詰まる。
 彼女のこういった問いかけはいつもの事で、でもだからと言って慣れるわけじゃなかった。
大体、こんな質問に即答出来る訳が無かった。どこぞのエライ哲学者サマでも正答は出せていないんだから。
 ……いつだったか彼女に似たような事を言ったら、「だから考えるの」と冷ややかな目で見られたなあ……。
「…………ホラ、よく言うじゃん、楽しい時間は早く感じるって。人が早く思うか遅く思うかの違いなんじゃ?」
「人が時間の流れを遅く感じたらその人は長生きするの?」
 う、とまたすぐに返事が出来ない。
「――例えば」
 彼女は立ち上がって、ソファに座っている僕に近づく。
「今私歩いてるよね。一秒後にはきっと足を上げてるし一瞬後には足を上げようと筋肉に指令を送っていて一刹那後には足を上げようって脳が考える。でも」
 そのままの位置――しかも器用に足を上げたまま――で、ピタリと止まる。
「一秒と二秒の間も一瞬と一瞬の間も刹那と刹那の間も、その中間があるよね。時間ってコマ送りじゃないんだから。でもじゃあその中間には何があるの?」
 ……………………?
 意味が分からない。
「触れないよね。見えないよね。感じれるけど間違ってるし考えてもわかんない。じゃあ時間ってなに?」
「何、って…………」
 ………………何だろう。
 彼女が問いかける禅問答のような言葉に、僕は答えることが出来なかった。必死に頭を巡らせて、それでも正答らしきロゴスを探す。けどそんなもの学の無い僕には答えられなくて、ただ、取り繕ったかのように、回答代わりの口癖を言うのだ。


「――きっと、答えなんて無いんだよ」


「▲▲はいつもそうだね」
 そういって彼女は椅子に戻っていく。腰掛ける姿は、そこが彼女の世界だと主張するように自然だった。一つ脚のテーブルに肘を置き、上を切り取られた月のような目で印字を追っていく。時折目が泳ぐのは、絵や写真を見ているからだろうか。ゆっくりと、不規則なリズムでページをめくる。じっと見ていると落ちかけた夕日が窓からわずかに覗き、赤光が彼女の髪を金に見せた。
 眩しくて目を細め、僕はふと仕事が残っていたことを思い出す。たまの休日に仕事を持ち込んでしまうのは無粋だけれども、これは許して欲しかった。僕はもうとっくに新人と呼ばれなくなって、それなりに責任は重くなり始めている。彼女より重要なことは無くても、彼女を維持するためならどんなことも惜しんでは駄目だ。
 僕は書類を読んで、資料を確認し、親指シフトでキーボードを叩き続ける。三ページ目に入ったあたりで、夕日が窓からこぼれた。ああそうだ、そろそろ食事を作らないといけない。
 ソファから立ち上がる。ノートパソコンを閉じる。スリッパのつま先を詰めながら彼女に尋ねると「中華の鉄人のカンシャオシャーレンが食べたい」と言った。きっと今見ているページにそれが載っているのだ。やはりこれにも覚えがある。乾焼蝦仁で、カンシャオシャーレン。エビチリの事らしい。
 エビか…………良かった、今日はある。冷凍庫にホワイトタイガーがあったはずだった。食材が無い日は買いに行かなきゃならないから……今日は運がいい。昨日に買ってきて良かった。
 台所に立つと、壁があって彼女の姿が見えない。目の前にはカウンターがあってきちんとダイニングテーブルもあるのに、彼女は窓際の丸テーブルと脚の長い椅子を愛用していた。こちらのテーブルセットはお気に召さないらしい。仕方が無いので、カウンターの上には写真立てが置いてある。その横には鏡があって、暗くなった部屋の中、本を読む彼女の姿が映っていた。
 ああ、いけない。呟き僕はリビングに戻る。灯りのスイッチへ、手を伸ばした。ぱちりぱちりと二つ押すと、点滅の後に強く灯って目が焼けた。それに僕は怯んだが、彼女は相も変わらず雑誌をめくり続けている。蛍光灯をつける前もそうだったから、きっと彼女に光はあまり必要ないのだろう。暗いところで本を読むと目が悪くなるというが、それを気にしないのも彼女らしい。
 スリッパを鳴らしながらまた台所へ戻り、手を洗って調理を始める。合間で彼女の様子を確認しつつ、エビに下味を付ける。馴染ませる為に冷蔵庫で寝かせて、その間にまた仕事を進めた。相変わらず読み続けている彼女の横で、僕はペンを走らせる。
 時計の針、わずかな衣擦れと、紙面を滑るボールペン。微かに風音。
 ふと気づけば九十分が過ぎていて、さっきの話を何気なく思い出す。これは時間が早く過ぎたということだろうか。
 ……ああ、そんなことより、早く食事を作ろう。もういつもの時間を過ぎてしまいそうだ。立ち上がってスリッパの先を詰める。彼女の様子は変わらない。じっと本を読んでいる。わだかまった夜のようだった。



「はい、出来たよー……っと、………………■■■、何……してるの?」
「…………暇なの」
 見ると、テーブルの上に彼女が突っ伏すところだった。黒い服の袖がテーブルの角でめくり上がり、剥き出しになった白い腕が何冊もの雑誌を床に突き落としている。
「読めば読むほど、面白く無くなるの。本。どんどん見慣れてくる」
「それは仕方ないよ。やっぱり、人間って慣れる生き物なんだから。それより、ご飯出来たよ。食べる?」
「食べる……」
 のそり、とテーブルから身を剥ぐように起こす。裸足のままぺたぺたと音を立て、自分の椅子に腰を下ろすと、また同じように机へ伏せた。長い髪が腕に肩にまとわりついている。
 その髪が絶対に汚れない位置へ、持っていたエビチリの大皿を置く。彼女を起こそうと声をかけつつ、カウンターに乗った小皿や茶碗を木目の見えるテーブルに並べていく。
「――ほら、起きて。エビチリ作ったから」
「うぅー…………」
 僕に肩を揺すられて、やっと体を起こす。
 触れた肩は細かった。
 上げた顔は白く、黒く細い髪が切れ目のように垂れていた。
 食事が終わると、彼女は家の中をさまよい始める。僕が食器を流しに置く後ろを、ぺたぺたと歩き回る。時折、戸棚の後ろやちょっとした死角を覗く様子は虫を探す子供を連想させた。
 台拭きを水ですすぎ、絞って、その様子を彼女はじっと見ている。僕の正面、カウンターの上で、組んだ腕をそこに乗せている。にんまりと笑い顎を置いた。
「…………どうしたの?」
「何も」
 意味は何も無い、ということらしい。
 スポンジを水に浸し、洗剤を一滴垂らした。皿を洗いながら、僕は彼女と会話する。
「……明日、どうする?」
「……明日は別にどうもしないよ? 逃げもしないし急ぎもしない」
「……そうじゃなくて。明日、何かしたいこと、ある?」
 完全週休二日制は素晴しいと思う。連休が増えて、一緒にいれる時間も長くなったのだ。今日は日曜で、明日は祝日。仕事は今日中に終わりそうだから、どこかに遊びに行くのもいいかもしれない。
「したいこと……………………」
「何か、ある?」
「まりもが見たい」
「まりも………………………………」
 ……デパートに売っているだろうか。それとも、ペットショップかもしれなかった。
 食事を終えた。
 そして彼女はまた、家の中を迷い始める。




 ……………………とまぁ、こんな感じの作品となっております。これから脱衣シーンなどが入ってさらにグロも。どうなんだろうと自分でも思います。
 ……それでは、今日はこの辺で。なんだか超絶長い記事になってしまいました……!!