漫画について本気出して考えてみた。その2。
とりあえず前回がコレ
な。
えー、前回で漫画を「世界」と「舞台」、そして「人物」に分けてみたわけですが。
舞台の話コピペ。
・舞台
便宜上分けただけなんですが、要は「読者の見える範囲」ですね。NARUTOなんかでは忍者ばっかり出てきますが見えないところには普通の人たちが普通に生活しています。政治もありますし、里と国とは深く関係していますがしかし表面上にはあまり見えません。
中忍試験とかいい例ですよね。各国の忍びの力比べ、みたいな点があるんですがなるとはそんなこと知ったこっちゃありません。
舞台には狭義の舞台と広義の舞台があります。
アイシールド21で言えば狭義の舞台が泥門高校、広義で言えば地区大会、全国大会、クリスマスボウル、日本代表アメリカ遠征編(今週のジャンプ読んでないんですが多分そんな感じですよね?)等。
ぶっちゃけメインとサブですよね。
ブリーチで言えば現世とソウルソサイティー、NARUTOで言えば木の葉の里とその他。
以上コピペ。
えー、まぁ要するに物語の構造そのものな訳ですねー、舞台。ここが中心……だと思うんですが、キャラが中心と考える人もいるのでそこは明言しませんが。
ん、まぁ要するに起承転結とか、序急破です。字間違って無いだろうか。
起承転結については説明する必要が無いと思うんで省きますが、序急破はややマイナーかもしれないので説明を。
こう、序でぼやーっと始まった所がいきなり急展開になって、破では急で展開された問題を解決する、というものです。全体的にスピード感があるんで衝撃の新事実! とかの時に使うもんです。曖昧にも程がある。
実際にいくつか解説してみましょうか。
PSYREN(岩代俊明、週刊少年ジャンプ)
第一話・都市伝説
冒頭、主人公の夜科アゲハが不良を挑発するシーンから始まります。サクッと主人公のパーソナリティーを出して見た訳ですねー。そこから扉絵。次に喧嘩で勝った主人公、さらに主人公のパーソナリティーを補強するために友人による主人公観が出ます。
そのあと主人公のモノローグで、主人公の厭世的な面、刹那的な面が出てきます。主人公の「喧嘩する理由」、さらに行動原理の一部をここで描いた訳です。
で、通りがかった公園で公衆電話が鳴ったときから物語が始まります。
それに出ると同時、怪人ネメシスQが登場し、異世界への入場券となるテレホンカードが残されます。
はい、ここまでで最低限の要素は登場しました。異世界の存在とそこに誘う案内人、異世界へ向かってもおかしくない主人公のパーソナリティー、と。
普通のバトル物と違い、サイレンはちょっとジャンプ物っぽくないので構成が変わっています。逆説、ジャンプ物の構成は似たり寄ったりなので簡単に作れるんですが。
話を戻します。
最低限の要素が揃った後、学校のシーンに移ります。
ここでは冒頭の喧嘩の理由、さらにヒロインである雨宮桜子が登場します。ノイバンシュタイン桜子ちゃんみたいですね。
喧嘩の理由は女の子に付きまとう不良を懲らしめるため、つまり主人公は女の子を助けるために喧嘩するような正義感だったんですねー。ジャンプ系主人公にこの手の正義感は必要です。
で、雨宮桜子。クラスの中で浮いた、ちょっとした非日常の存在。主人公は日常的というかやや平凡なキャラなので(ってもこんな奴いねぇーって思いますがそこは物語なので)対照的になってます。対照的ってのは物語の基本なので覚えておくようにー、ここテスト出るよー。
雨宮桜子は、主人公のおせっかいを拒絶すると同時に「助けてよ……っ!」とか言っちゃうツンデレなんですが、その言葉を残して行方不明になってしまいます。
その後主人公はヒロインが行方不明になった原因が「サイレン」であると突き止めます。「サイレン」への鍵はとあるテレホンカード。主人公はヒロインを助けるため、テレホンカードを使います。
そこで謎のアンケートに答え、しかしまた日常に戻ります……が。サイレンを追う謎の集団が現れ、その妨害を受ける中、主人公はサイレンの誘いに乗り、突然異世界へ旅立ってしまう――。
と、まぁ、こんな感じ。
まぁ上の分解は詳細すぎるんで簡単に説明すると、
起、主人公のキャラ付けと「サイレン」という謎の存在。
承、主人公の詳細と、ヒロインのキャラ付け。
転、ヒロインの失踪と「サイレン」の詳細。
結、「サイレン」の掘り下げ、「サイレン」は参加した人間を異世界に誘うゲーム……。
第一話は狭義の舞台です。狭義の舞台をいくつか組み合わせることによってPSYRENの全貌、広義の舞台が見えてくる訳ですねー。
次。
銀魂(空知英秋、週刊少年ジャンプ)
第一話・天然パーマに悪い奴はいない
超有名作品なんでさっくり説明すると、黒船の変わりに宇宙船がやって来て、侍と宇宙人がなんやかんやする世界観。
フリーターの駄目眼鏡がニート侍の馬鹿に巻き込まれて、家に連れこんだらゴリラ女が居て、なんか借金取りまで現れた上にゴリラ女をノーパンしゃぶしゃぶに斡旋して、強奪するためパトカーちょっぱって特攻かけなんやかんやで駄目眼鏡がニート侍のところへ家事手伝いしに行く話。
簡単にまとめると、
起、世界観と主人公二人のパーソナリティー
承、駄目眼鏡とニート侍の詳細
転、駄目眼鏡の借金問題
結、借金問題の解決と作品のテーマ(天然パーマに悪人なし)、物語を続けていくための基礎
二つともジャンプ漫画では特異……ではあるんですが、両者は決定的に違います。
サイレンについては世界観や設定、銀魂については妙に加齢臭のするギャグと頭の悪いキャラクター。サイレンのキャラクターやギャグは定番なんですが、逆に銀魂は世界観があまりにも適当ではあるけれど、定番。
前回の世界の話では、銀魂はNARUTOやブリーチ的、サイレンはアイシールドの皮を被った鋼の錬金術師な世界観ですね。銀魂については世界観についてあまりにも適当である事を除けば特筆すべき点は無いんですが、サイレンは世界そのものが謎になっています。一枚で完成している絵の連続とジグソーパズルの違い。一話完結と続き物の違いですねー。厳密にはワンピースなど、数話完結+続き物、とかがあるんですが。ワンピースタイプや銀魂タイプがジャンプ物としては向きますねー。先延ばしをしてもおかしく無いので、リボーンみたいなクソ展開をせずに済みます編集の先延ばしを行っても話が問題ありません。
逆説、サイレンは終り方が決まっているような作り方なので先延ばしがしづらいんですが。個人的にはそういう、「終り方の決まった」物語の方が好きなんですが。しかし、週刊連載に向いてるのは銀魂の方でしょうねー。
週刊漫画は「毎週読者を楽しませなくてはなら無い」という縛りがある為、毎回盛り上げなくてはなりません。ところがサイレンの場合、毎回謎やらキャラに焦点を当てた話やらバトルやら仕込まなくてはならず、複雑になってしまうんですねー。コミックを読まなくちゃ理解しづらい部分があったりする為、ジャンプを見て「あ、これ面白い、買お」とか思わせづらいんです。一回見逃したら話の展開に追いつけなくなってくるし。途中参加の人間はついていけなくなるし。週刊誌で読む漫画とコミックで読む漫画との違い。
そういう意味で、ワンピースってのは秀逸ですよね。能力者についても「なんでもアリ」だし、グランドラインという「何でもありの海」という世界にした事で空島編やら何やら入れても問題が無い。それでいて、「一つなぎの秘宝ワンピース」「ゴール・D・ロジャー」「古代文字」「過去の歴史」など本筋もある。ジャンプ漫画の見本のような漫画です。ま、逆説、物語のテーマがぶれやすく作者のストーリーメイクに幅が無くなる、という点もあるんですが。キャラクターやギャグについては作者が好きなようにやれるんですけどね。
さて、先程あげた二作品に話を戻します。
単純にジャンプ掲載を目指すのであれば銀魂方式をおすすめしますね。なんでかって、構成が楽で作者の特色が出やすいんですよ。ま、同時に天才向きっつーか天性のものがないと難しいっていう点もあるんですけれど。
銀魂の構成は非常に単純です。主人公と相方がまず登場し、相方が持っている問題を提示、主人公がそれを破って、相方が尊敬的な念であとに従っていく。単純であると同時、「漫画家にとっての1ページはすげぇ長いんだぞ!」とか「よくも人を身代わりにしてくれたなコノヤロー!」とか「だーからお前に困らされてんだろーが!!」とか、そういうギャグの流れを織り込みやすい。
対してサイレンの場合、ギャグを織り込むシーンにまで物語を詰め込んでいるため読者の理解が追いつかず、飽きられたりしちゃうんですねー。同じ世界の謎についての物語でも鋼の錬金術師なんかは最初から異世界である分、第一話は世界観を雰囲気で表現してキャラクター中心に話を進められます。分かりやすいし、とっつきやすい。
ま、サイレンは詰め込みすぎた割りに物語が分かりやすく、新鮮で面白いんですが。特にラストシーンは強烈です。綱渡りしてる感じ。安定感のなさが面白さに繋がってるんですねー。
サイレンのタイプの構成は、ギャグやキャラクターに自信が無い人にオススメですね。これは頭をこねくりまわして、努力で作るタイプの漫画。いわば秀才タイプの漫画なので、作るのは難しいし大人気も難しいけれど中堅、かつ固定層が狙えます。
次に、広義の舞台について。
銀魂ではちょっとやりづらいのでサイレンを取り上げます。
お手元のサイレン一巻をどうぞー(多分無い
CALL.1 主人公とヒロイン、サイレンの謎
CALL.2 主人公とヒロインの再会、化物の現れる「サイレン」という世界、共にサイレンへと招かれた人々、ゲームの開始
CALL.3 死体が全て灰になるサイレンの世界、警戒区域に現れる人を殺す人型の化物
CALL.4 怪人との戦い、新たな仲間
CALL.5 死んでいく人々、晒された「サイレン」の正体
CALL.6 怪人との戦い、戦い方、ヒロインの力
CALL.7 生還、「サイレン」の正体が明かされる
話の流れとしてはこんな感じです。要素に分けるとしたら「主人公と仲間達」「その他の人々」「ヒロインの力」「サイレンの化物たち」「サイレンという世界」ってところでしょうか。
「主人公の仲間達」
1、主人公とヒロイン。
2、主人公とヒロインの再会。
3、反目する主人公と新しい仲間。
4、主人公、ヒロイン、三人目の協力
あらなんか起承転結ですね?
「その他の人々」
1、主人公と共に招かれた人々。
2、別行動をする人々。
3、死んでいく人々。
4、生き残った人々
「ヒロインの力」
1、主人公を助け化物を殺すヒロイン。
2、力の使いすぎで戦闘力を無くすヒロイン。
3、サイレンについて知っているヒロイン、化物と戦う力を持つ。
4、サイレンの秘密を明かすヒロイン。
「サイレンの化物」
1、主人公を襲う化物。
2、その他の人々を殺す化物。
3、主人公が見つけた化物の殺し方。
4、化物と主人公たちとのラストバトル。
「サイレンという世界」
1、唐突に招かれたサイレンという世界。
2、化物の現れる世界。
3、主人公が知るサイレンの世界。
4、ヒロインによって明かされるサイレンの秘密
要素ごとの流れはこんな感じ。これらが混ざり合って展開されているあたり、そうとう複雑な事が知れます。
こういう流れの作り方としては、漠然と流れを考えて作るライブタイプと「ここでコレを見せよう」と必要な要素を集め構成したプロットタイプがありますねー。全体的な起承転結に照らし合わせると、
起、主人公とヒロイン、サイレンの謎
承、サイレンに招かれた主人公とその他の人々、サイレンの謎について
転、現れる化物と殺されていく人々、主人公が気付いた「サイレン」とサイレンの化物の秘密
結、主人公達と化物のラストバトル、ヒロインが語るサイレンの秘密
面倒くさいですねー。一話一話の起承転結、さらにコミック、部としての起承転結、PSYRENという漫画としての起承転結。三つの構成が存在しています。銀魂なら本筋と言えるものが無いため話としての起承転結、部としての起承転結だけで済みます。下手したら一話だけの起承転結だけ考えればいい。ま、逆に言えば毎回毎回新しい物語やギャグを考えなければなら無いんですが。
はいていうか俺が面倒くさいです。コレ描くのに一時間くらい費やしてるし。前回よりはるかに長くなってるし。
ま、要するにストーリー漫画を作るためにはまず世界観、能力などの設定、全体としての起承転結と部としての起承転結、キャラクター、とまぁそれだけ用意しなければいけない訳です。ファンタジーでは美術設定も必要になるし、異常にめんどいですねー。
世界観は読者に受け止められなければなら無い。
物語に存在する「過去」や「敵の目的」、「能力」に関する謎を作らなければならない。
キャラクターは魅力的で、かつキャラクターに関する謎や性質も考えなければならない。
さらに漫画としての起承転結、部としての起承転結、一話の起承転結を考えなければならない。
頭痛いですねー。
しかも毎週毎週コンスタントに二十ページ程度の作品を提示しなければならず、本誌、コミック表紙のカラーを描かなくてはならないしコミック余白部分も描かなければならない。まったく週刊漫画は地獄だぜフーハハァー!
いやマジにしんどい。俺もしんどい。おそらく今の時点で読んでる人は殆ど居ない。
まぁ、週刊漫画の舞台の話はまぁここまでにしておいて。
次は月刊。
…………すげぇめんどいー。
アライブ・最終進化的少年(原作・河島正 作画・あだちとか 月刊少年マガジン)
第一話・キミは、どちらを選ぶ?
主人公の友人、ヒロセがイジメられている所に主人公、タイスケが現れ、一撃受けつつもイジメを止める。そこにヒロイン・メグミがやってきて主人公をいさめる。
主人公は過去に交通事故で両親を亡くしており、それが滅茶苦茶な主人公の行動原理となっていた――。
三人は友達だった。イジメられるヒロセをタイスケが庇い、それをメグミがいさめる――そんな日常が続いていたある日、タイスケの頭に何かが「飛来」する。それが始まりだった。
学校の帰り道、タイスケは笑いながら地面に落ちていく少女を目の当たりにする。少女はタイスケと目が合って、笑い、アスファルトに堕ちて死んだ。
それを見て、タイスケは――うらやましいと、そう思ったのだ。
その自殺を皮切りにするように世界各地で意味も理由もない連続した自殺が起きる。自殺者はすべて、笑いながら死んでいった――。
そして、ヒロセにもまた、タイスケと同じものが「堕ちて」くる。
その日もまたヒロセはイジメられ、そして、イジメをしていた人々を「能力」で皆殺しにし、タイスケとメグミもその惨劇を目撃する。助けを求めるヒロセにタイスケは手を触れる事すら出来なかった――。
そこに一人の少女が現れる。その少女は死体をもて遊び、「生なる道は十分歩いた、あとは死のみ」という言葉をのこし、やはり笑いながら自殺する。
それから一週間にわたり、世界各地でその自殺は続いた――。
これが第一話。月刊漫画らしくキツキツですね。起承転結に照らし合わせるなら
起、主人公達三人の関係
承、頭に飛来した「何か」
転、自殺していく人々と、ヒロセが得た「能力」
結、ヒロセは人を殺し、人はどんどん自殺していく
こんな感じ?
これもまた大きな物語ですねー。最近の漫画の流行というか、古来からの「よくある話」ではあるんですけれど。
実はコレ、サイレンにある意味近いです。ここでは書ききれないくらいの複雑な構成。違うのは登場人物の多さですかね。
どの漫画でも一話は最初に説明すべきこと(世界観、漫画自体のテーマ、メインキャラがどんな人間か)が多いので倍近いページ数が与えられるんですが、銀魂の55Pにくらべアライブは62Pと、ちょっと多い。また月刊は買って読む、あるいはコミックで読む人が多い(と思う)のでじっくり描けるんですねー。多少分かりづらくても、購入された漫画はつい読んでしまう人が多い。
週刊漫画はコンビニで立ち読みも楽なんですが月刊誌は思いしページ多いしで、読者が少ない分買う人が比較的というか規模の割りに多いー筈ー。
サイレンと比較すべきはその人数ですかね。週刊誌は低年齢からサラリーマンに至るまで読者層が広い分分かりやすさを優先して人数少なめ分かりやすく展開するのが基本ですが、月刊誌は読者層が狭いので多少複雑でも読んでもらえる、まぁマニアが多いんですねー。週刊少年漫画ってB級っつーか、深さがないんですが月刊は深い物語が多いんですねー。まぁ週刊漫画でも深い物語があるんで一概には言えないんですが。まぁ要するに子供向けと大人向けー。
両者少年誌なんですけどねぇ。
ちなみに青年誌についてはまたいつかな。
しかし、月刊誌には月刊誌の弱点がありまして。
週刊誌では常に「来週の展開が気になる」を作らなくてはならないんですが、月刊誌は間が空くためある程度は一話完結しなくてはなら無い。走っているのと歩いているのの違いですかね。
特に謎の持ち越しってのは危険です。だってわからないもの。「来月の展開が気になる」を作らなくてはなら無いのは同じなんですが、週刊誌はとにかく連続しているんですよね。月刊誌は連続して無い分、そういった縛りがある。冒頭は分かりやすくなくてはならないっていう意味では、短編連作に近いかもしれないですね。
異論は認める。ワシプロじゃないし。
月刊、好きなんですけどねー。「終り方の見えている」サイレンみたいな漫画が多いし、謎や世界にも深みを持たせる事ができる。過去を描くシーンでも月刊はじっくり出来るし、重みがあるし。いや物理的な話ではなく。
また、雑誌のカラーの縛りが少ないのも特徴ですねー。
週刊誌は職人型、月刊誌は芸術型の漫画家に向くって感じでしょうか。
みなさん自作品のカラーにあわせた形態の雑誌を選びましょうやー。
いえーいなんかもう前回の三倍近いんですがどうしたらいいのコレ。
ま、これくらいが概要でしょうか。
漫画の構成を作るとき、上記の事を意識するのは最低限です。面白い漫画のためにはもう一つ突出したものが要る。銀魂は作者の味そのもので売ってますけど、そういうことが出来るのは一部の天才さんですんでねー。
まぁ同時に、作者の特色ってのは最低限必要なんですけれど。
世界、舞台に共通して、というか人物にも関する話ではあるんですが、まず読者に受け止めてもらう事が必要です。読者に「あ、これは有り得るかも」と思わせるようなリアリティーですね。登場キャラ全てが主人公大好きな作品はリアリティーが欠如しやすいというか欠如しすぎている物語が多くてバトル物にはバトル物の、ストーリー物にはストーリー物の、ファンタジー物にはファンタジー物の、ラブコメにはラブコメ物のリアリティーが必要になります。戦闘のリアリティーが、論理展開のリアリティーが、世界観のリアリティーが、情動のリアリティーが、必要になります。これは最低限。
しかし、同時に「リアリティーの無さ」が必要にもなります。上に挙げた作品で言えばサイレンのあんな世界観有り得ないし、あんな主人公居ないし、超能力も有り得ないし。
リアリティーだけでは当然のように物語が構成出来ないんですねー。単なる普通の話になってしまう。それで面白い話が出来る、っていうのが腕の見せ所なんですけどね。
その辺りのバランス感覚が必要です。
さらに、謎。
アライブで言えば「主人公の頭に『堕ちた』ものは何か」「人々が自殺した原因は何か」「ヒロセはなんで能力を得たか」、読んでいて気になるものが必要です。よくある方式としては「1,2ページ目で謎を匂わせる→扉→主人公と『どういった世界か』の説明→ギャグ→物語の始まり」。この場合は冒頭部が謎になる訳ですねー。アライブの方式です。さらにその後、人々が自殺したり主人公の頭になんか変なのが「堕ちた」り、ってのが「謎」になります。
銀魂で言えば、「銀さんの過去」「銀さんやヅラ、高杉たちの過去」「松陽先生」あたり。この辺は「過去」を使った謎ですねー。いつか明かされる日はくるのだろうか。無い気がする。また、銀魂の一話の場合は会話のテンポやギャグが読ませる力になってますねー。謎が無くてもこういう方法もある。
こういうものを理解するには、「自分がどういう部分に惹かれてその漫画を読むのか」を考えるのが一番分かりやすいです。また、「自分がどういう部分からその漫画を読まないのか」も。ま、その部分は編集の仕事でもあるんですが。
うぇーいそろそろ疲れたんでやめるお休みまぁここまで読んだ人は居ないんだろうけどな!
次はキャラの話になるのカナ? カナ?
質問は受け付けますがまぁしかしそこまで詳細に読んでいる人もいないよね。
ところで三時間くらいこの記事に費やしてるんですがおれ何したかったのコレ。