漫画について本気出して考えてみた。その三。

という訳でその一、その二はこちら
……このシリーズは漫画カテゴリに入れてあるのでぶっちゃけカテゴリーにリンクしたほうが早いと、そんな事に気がついたんだ。
……ていうか、前回の記事をブクマしてくれてる人がいたりして、ちょっと戸惑い気味の最近。
これ、実は何も考えずにつらつら書いてるだけなのであんまり参考にならないような気もするんですけれど。これはむしろ草案で、いつか論文調にまとめてみますわー。



というわけで、今回はキャラクターについて。
ちなみにこれまでは世界観、物語の構造について語ってましたー。


えー。
ぶっちゃけキャラクターについては構造解析するよりも作り方から入ったほうが楽そうではあるんですが。しかしまぁとりあえず構造について。


キャラクターの構造について
 えー、漫画のキャラクターっていうものは基本的に構造がシンプルです。なんでかって、現実の人間そのままを描くと複雑過ぎるんですねー。複雑なキャラクターを描く、っていうのは難しく、さらに複数描くのは結構大変です。おまけに読者も読み解きにくい、だからこその記号論な訳ですねー。
 記号、っていうものを使えばある程度簡単にキャラクターが把握できます。これは記号そのものがもつイメージを利用した手法で、ようするに読者が「メイドさんはこういう人間だろう」というイメージをベースにキャラクターを作る方法です。また、記号をもちいつつ記号と反する人物像を描く、っていうのもまた類似の手法ですねー。「組織の重鎮な筈なのにマダオ」とか「メイドさんなのに口が悪く暴力的」とかそんなの。あとで語りますが、ギャップがそのキャラクターを際立たせるわけです。自分の友人達には「文系なのに何故かボクサー」とか「ボクサーなのに何故か趣味がお菓子作り」とか「お菓子作りが趣味なのに何故かグロ嗜好」とか、そんな風に言うと分かりやすいと思います。
 記号論って実はそんなに好きでもないんですけれど、漫画のキャラクターには多少なりとも必ず使われている、あるいは作者の意図抜きで読者がその記号を読み取っているのでこれを主軸に解説していこうと思います。
 最も単純な記号、というとやっぱり「人間」ですかね。「人間らしい」というのはいくつもの記号を内包しているため実際には「人間らしい、食欲」「人間らしい、性欲」など、もう少し限定的に使われるんですけれど。
「人間らしいキャラクター」って、それどんなんやって話で。
 漫画って言うのは結局人間が読むものであるため、殆どのキャラクターにはこの「人間」という記号を持ちます。たとえそれがロボであっても亜人であっても。だからこそ、「人間らしくない」キャラクターを主人公や悪役、狂言回しなんかに使うんですけれど。
 次は性別です。「男」「女」「それ以外」。
 最近は特に「それ以外」が流行っていて、男の娘とかおかまとか女装とか、そういうものをよく見かけます。
 ……昔は少しマイナージャンルだったんですけれど。最近は色々ネタが普及してるんですねー。
 次に年齢。これは実はあんまり多くないです。全て並べてみるとしても、「胎児」「赤ん坊」「幼稚園前」「幼稚園」「小学校」「中学校」「高校」「大学」「新卒」「三十路前」「三十路」「中年」「ジジイ」「没後」
 この辺を基本にして、「三十路なのに何故かロリ」「ババァなのに何故かロリ」、逆パターンでは「大人びた幼稚園児」「老けた小学生」「くたびれた中学生」なんかが生まれるわけですねー。
 漫画はやはり少年誌の規模が一番大きいので、漫画に書くのは自然にその年代になります。主人公とその周囲がその年代で、サブとして上や下が出るってのが基本ですねー。そういう意味で、銀魂あたりは死んだ目をした若年寄と駄目眼鏡、というちょっと不思議な年齢層なんですけれど。神楽は平均年齢を下げると同時、読者の共感を得るタメのポジションなんですねー。
 ……いや、警察の前でゲロ吐くゴリラ少女に共感出来るかは疑問ですけれど。主婦層に人気なのはそのへんからなんだろうか。
 そこから職業、性格、嗜好など様々な記号を追加していくわけです。ぶっちゃけ、新しい記号っていうのは探すのが相当難しいので今ある記号を今までにない組み合わせでキャラクターに付加するのが楽ですねー。基本ともいう。
 今日はもうめんどいのでキャラクターごとに解説とかはしないんですけれど、詳しく知りたい人は好きなキャラクターを何人かリストアップして調べてみるといいですねー。……、嗜好がまるのまま出る気もしますけれど。
 記号を生かす方法としてはさっき挙げたギャップの他に、その記号を増幅させるような手法やキャラクターの相互干渉によって記号を変化させる手法などがあります。
 増幅については駄目夫→まるで駄目な夫的なもんです。ただ駄目な人ってのは沢山居ますが、あえてお漏らしなんかをしちゃうレベルまで駄目にすることでキャラクターが際立ちます。所謂キャラ立ちですね。ツンデレすぎるあまりついつい好きな相手を撲殺しちゃうの! とかゲイなあまりノンケでも食っちゃう男なんだぜとか、エロいあまりに可愛い女の子を見かけただけで老後まで考えちゃうぜ、とかそんなの。
 キャラクターの相互干渉については、成長物語や恋愛なんかによく使われますねー。味方が強いから俺も強くなるぜ! みたいなウソップ、ポップタイプやら好きな相手が数学好きだから私も数学勉強する! とか好きな相手がノンケだから俺女の子になる! とか。ケミストリー。素直に考えるとノンケってニューハーフに嵌ったりしないと思いますが。しかしまぁ人それぞれだよね!


 さて、記号論(って言っていいのかどうかはわからないけれど)の話は終わり、次は実際にキャラクターを作ってみましょう。


 キャラクターを生かしたいから物語を作る人、物語を作りたいからキャラクターを作る人、の二通りがあると考えて見ましょう。
 物語とキャラクター、とりわけ主人公は密接な関係にあります。何故って、キャラクターが動かないと物語が動かないからです。物語に全く沿わないキャラクター、ってのはさっきのギャップの理論ですね。ワンピースの世界に銀さんがいてもどうしていいか分からないし、女子高百合漫画にカッコたる政治的信条を持ったテロリストとかいてもどうしようもないし。
 だから、基本は「書きたいもの」をまずイメージして、そこからキャラクターは勿論世界観、物語をひねり出します。
 ……まぁ、その話はまずおいといて。


 実際、キャラクターを作ってみます。
 とりあえずガンガン系の少年漫画、でイメージしてみてください。
 性別は、最近の流行だと女の子の方がオススメです。そういった可愛い女の子を求める層が多いんですねー。だからといって、可愛ければいいってもんでもないんですけれど。
 ただ、少年漫画っていうものは「燃え」が基本なので根性のあるキャラクターが好まれます。主人公が頭悪い運動音痴の男であっても、根性がないとただのヘタレなんですねー。それは逆にヘタレでも根性があれば熱い漫画になりえるんですけれど。むしろ「へたれ」という記号が逆に「熱さ」に繋がるんですねー。グレンラガンの主人公なんかもそんな感じ。
 女の子の場合、最初から根性があるのもアレだし根性がないのもアレなんで、根性の初期値は平均ちょっと高め、あるいは強がっていても実は弱いとかいうキャラクターメイキングがいいと思います。
 いや、俺がいいと思うだけですし、そういうセオリーから外れる事によって漫画の特色って生まれるんですけれど。
 ってもうなんか面倒くさくなってきたんですがどうすればいいのこれ。
 なんつーか、実際に漫画や作者に会わないと分からない事があるので非常にやりづらいです。


 要するに、キャラクターはありふれた「記号」をありふれてない「特徴」に変化させて独自性のある人間に作り上げればいいってことなんですけれど。
 まず読者に理解しやすく、次に物語に沿い、とここまでが最低限。そこからさらに独自性のあるキャラクターに仕上げることによってそれが物語の味になる。
 要はそれだけ。あとは実際に作ってみて、他の漫画と較べて何が足りないか考えてみる。そんだけの話なんですが。
 ……えー、今回なんか分かりにくいなこりゃ。
 今日中にもう一回更新するから許して。