漫画について本気出して考えてみた。その四。

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 えー。
 めんどくなったので実際に作ってみようと思います。
 今作っている小説を漫画にアレンジしたものなんですが、とりあえず骨格の作り方は似て居るので。


タイトル・「丸い窓の向こうに」
タイプ・月刊漫画、コミックでは上下巻完結、最後に読みきり。
ジャンル・恋愛漫画・心理系強め


 はいこの時点で既に少年漫画じゃねぇー。


キャラクター・メイン四人、他のキャラクターは殆ど出ない
世界・通常
構成・主人公の心理を中心にした、四人の関係の変化
テーマ・脇役から見る物語


世界観の作り方
 基本的には通常の世界といっしょ。ただ、一つだけファンタジーが入る。
 これは自分の手法なんですが、普通の世界にファンタジーを入れる事によってその要素を際立たせ、そこから生まれる心理をメインに描いていくってものですー。ぶっちゃけると、世界観の作成が苦手で心理描写が得意だからなんですが。自分の武器を使いやすいようにする、ってのも手法ですね。
 なので、世界観はある一点を除いて平凡です。


キャラクターの作り方
 主人公・月夜
 メインのテーマは横恋慕。なので、普通なら脇役であるところを主役にあててみる。
 外見的な構成としては「大人しい文学少女」。長い黒髪や眼鏡、私服の地味な着こなしなど。
 内面的な構成としては「歪み」。横恋慕、というテーマに沿わすために腹黒いキャラクターに。漫才スキルはツッコミ。舌打ちが癖だったり周囲を見る視線が歪んでいる。特に真昼には歪んだ憧れと友情を合わせもつ。
 サブ・真昼
 テーマは「少女漫画のヒロイン」。本来ならこいつが主人公ポジション。
 外見的な構成としては「活発な体育会系少女」。主人公の対になることで主人公を引き立てる。茶髪のショート、スタイルは良い。全体的に派手。
 内面的な構成は外見そのまんま、「活発」。男女共に人望のあるタイプ。漫才スキルはボケ。意図的によくボケる。けど空気を読むのでここぞと言うときにはちゃんと突っ込む。
 サブ・翔太
 月夜の相似。イメージとしては月夜の一歩先。
 テーマは「横恋慕の体育会系少年」。
 外見的な構成は「穏やかな少年」。大柄、落ち着きがある、小説を読みつつも運動神経抜群。基本的には地味。
 内面的な構成はやはり「穏やか」。ていうか基本は外見そのまんま。主人公を際立たせるため、主人公以外のキャラは皆裏表が(比較的)少ない。月夜と同じ横恋慕キャラではあるけれど、月夜より少し大人である程度諦めている。漫才スキルはツッコミ。真昼が好き。
 ヒロイン・ヤマナイ
 ヒロインと言っても男だけれど。便宜上ヒロイン。
 外見的な構成としては「腕」。腕しか出てこない。公園にある丸太小屋に穴が開いていて、そこから腕だけを出す。小屋に閉じ込められているけれど、なんで閉じ込められているかは分からない。
 内面的な構成としては「天然+謎」。
 このキャラクター自体がこの世界の一つのファンタジー
 基本的には天然なんだけれど、何か謎を隠している。漫才スキルは天然、なのでボケも突っ込みもどこか微妙。
 真昼と月夜に好かれている。


 プロット
0話、プロローグ。
 電車に乗っている月夜、真昼、翔太。三人は誰も暗い表情をしている。
 それを幽霊的な視点で見ているヤマナイは言う。
「……三人の表情の原因は僕だった。」
 ここは詩的な絵、テキストのみで構成。どんなエンディングになるかを想起させる。


1話
 ヤマナイとの出会い。公園で遊んでいる三人の目の前で、丸太小屋から真っ白の腕が生える。腕は言った。「僕の……友達になってくれない、かな」
 扉。
 月夜視点。学校の帰り、満員電車に乗っている月夜。季節は冬。電車の中で真昼と翔太を見つける。モノローグ、「この二人には、会いたくなかった……」
 真昼と翔太の漫才。漫才の途中で真昼は月夜に気付く。大声を出して突撃しようとして、常識人の翔太に阻まれる。社内の人間が少なくなってから突撃する事に。
 月夜視点。二人から隠れるように小説を読む。キリのいいところで目線をそらすと、窓の向こうに森が見えた。あの森はヤマナイがいる森だ――。
 たそがれている月夜に真昼が突貫。軽く漫才をした後、真昼が月夜を公園へと誘う。真昼の勢いについ月夜は頷いてしまう。月夜、舌打ち。
 電車を降りて公園まで。真昼と翔太の漫才をメインに据えつつ月夜をイジり、三人の関係性を提示。三人は幼馴染で、月夜は最近疎遠になっていた。
 三人は森に入る。森の奥にその公園はあった。
 その公園の一番奥に丸太小屋があり、そこから真っ白い腕が生えて――で引き。


 第一話では設定とキャラクター紹介、作品のカラーの提示に終始している感じですねー。こういうのは漫画家の感性と絵が良くないと上手くいかないタイプです。漫才部で楽しさ、他の部分でいい雰囲気を出さないと読者がついてこないタイプです。人気漫画っていうより中堅漫画、雑誌で読むよりコミックで読むタイプ。
 構成としては、プロローグで謎、ヤマナイの存在を提示。次に主人公の日常を描き、そこからキャラクター三人の性格を提示する。そして同時に笑いという単純な「面白さ」で読者をひきつける。
 そして最後、読者が「この腕は何だ!?」と思ってくれるように腕が生えたところで引く。
 リズムはこんな感じでいいんだろうけれど、物語が進んでない事を考えるとちょっとアレかなー、って感じですね。もうちょっとページを取って、


 腕が生えてきた――
 その腕をキーワードに、主人公がヤマナイとの出会いを連想する。
 子供の頃、こんな森の中にある公園を見つけて私たちはずっと遊んでいた。それは秘密基地のように、私たちにとっては大事な場所だった。
 そんなある日、いつも通りに遊んでいて。
 真昼がたまたま公園に近寄ったとき、公園から丸太小屋が生えてきて――「僕と、友達になってくれない、かな?」
 硬直する月夜と翔太を尻目に、真昼が問いかける。「あなたは、誰?」
「僕は――○○なんだ」


 って、こんなんを追加するといい感じかもしれない。相変わらず話は進んでないけれど。
 元々小説なだけあって、なかなか漫画向きじゃねぇ話だなぁーってこれ話す意味あるのか。
 ……やっぱり、漫画のネームか何かないと話しづらいねこれ。