もっと馬鹿で鈍感になりたかった

ちょっとした論理の話。


人は必ず死ぬ、という命題は一見真であるように見えるが、実際には結論が出ない。

たまにこんな言葉を聞くことがある。「死なない人間は居ない」「人は皆死ぬ」こう人が思うのはもっともで、特に年を取れば取るほどその考えは顕著であろう。
まず確実に、死なない人は居ない。
しかし、この『まず』が問題なのである。
科学的な根拠として確立させたい場合、実証、実験が必要である。そしてそれには普遍性が付属していなければならない。
それはつまり人が死なない限り実証はされないという事であり、そしてあらゆる人が死ななければ否定の可能性が残ってしまうという事である。
全ての人が死なない限り、この『人は死ぬ』という論理には穴が生まれてしまう。
しかし一方、言葉を使って論理を構成するのは地球上に今のところ人間だけである。よって、この論理は成立と同時にそれを語る人がいなくなる。存在しなくなるのである。
少なくとも、現状では成立し得ない論理。それに美しさを感じるのは自分だけだろうか。






…………とか言ってみましたが、これは実際の論理学として見ると全く下らない話なので誰かに話すと恥ずかしい思いをします。
恥ずかしい目にあえばいい。